『私も歩けばイケメンにあたる♪』
そこは、介護施設だった。
私には、なじみがなくて、よく分からないが、
老人保健施設という、
医療ケアや、介護ケアの必要なお年寄りが入所する
医療施設らしかった。
大きな建物が並んで、
“とちの実荘”
という看板が出ていた。
「ここは・・・?」
戸惑う私を横目に、
心さんは慣れた様子で、建物の中へ入っていく。
中の職員に挨拶すると、
向こうは、心さんを良く知っているようで、
『あら、久しぶり。弟さん来てるわよ。』
と言って、手招きしてくれた。
・・弟さん?