『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「お前さ、
親父達の再婚に反対か?」
思ってもみなかったことを言われて、
私は、少し動揺した。
「え?
別に、反対じゃないよ。
お母さんには、幸せになる権利があるし・・・。」
嘘ではなかったが、
本音でもなかった。
「じゃあさ、なんで泣いてた?」
いつもと違う、
あいつの
やさしい声音に、
なんだか、
酔いそうな気分になる。
「泣いてなんか、ないよ?」
「泣いてたろ。
目が腫れてるのも、泣いてたからだろ。
俺のベッド、お前のベッドと壁一枚向こうに
置いてあるんだよ。
すすり泣くような声が
聞こえたし、
昨日、何度も寝返りうってたろ?
あんま、寝てないんじゃねーの?」