『私も歩けばイケメンにあたる♪』

「お前、昨夜から、
様子がおかしかったからさ。

俺がからんでも、
何も言い返してこねぇし、

夕飯も、ダイエットとか言って、残してたろ?
食欲なかったんじゃねぇーの?

なんか、気になって、眠れなかったんだよ。

そしたら、

夜中に、な~んか、音がするな、って思ったら、
泣いてる声みたいで。

朝は朝で、階段下りていく音が聞こえたし。

腹でも空いたのかと思ったけど、
氷取りに行ってたんだろ?」



あいつが、
私のことを気にかけてくれていたのが、
うれしすぎて、

不覚にも涙がにじみ出た。

氷嚢のおかげで、
あいつに見られなくてすんで、
助かったけど、

この涙を舐めたら、
きっと
昨夜の涙とは違う味がするに違いない。



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