『私も歩けばイケメンにあたる♪』

しばらく、
あいつの
やさしい手の温もりを感じていると、

だんだん気持ちが落ち着いてきた。


現金なもので、
ココロにほんの少し、余裕が生まれると、

私は、
あいつが、どんな顔をしているのか
気になった。


少しずつ、顔を覆った指先を広げて、
その間から、こっそりと、
あいつの表情を伺った。

気づかれないようにしたつもりが、
指の間から覗く、私の目が、
あいつの目と
ばっちり、
合ってしまった。


その瞬間、

まるで早業のように、

あいつは、私の手首をつかんで

顔からはぎとった。





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