『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「な、なんで、
そのこと・・・。」
突然聞かれて、動揺しまくった私は、
肯定と取れる返事を返してしまった。
「あはは、
やっぱ、そっか~。
毎朝、二人の会話聞いててさ、
俺、ひかりちゃんのこと
気になってたからさ、
やっぱ、
好きな子の気持ちって、
なんとなく、
わかるっつ~かさ、
ひかりちゃん、
いっつも、清の方見てるし。」
直樹君は、明るく笑っていたけど、
私には、いつもより、切なそうに見えた。
「清には、
気持ち伝えたの?」
私は、首を横に振って、
NO.の意思表示をする。
「じゃあ、今度、
俺がセッティングしてやるよ。
あいつも、絶対
ひかりちゃんのこと、気になってるって。」
私は、さらに首を強く振った。
「無理なの。
あいつは、私のことなんて、
何とも思ってないし。」
さっき会った
あいつの姿を思い出す。
「それに、
お母さんのためにも、
私は、
あいつを好きになっちゃいけないんだよ!」
言うつもりのなかった、
私のココロの奥底にしまっていた
本音が、
うっかりこぼれた。