『私も歩けばイケメンにあたる♪』
そこまで一気に言ってしまってから、
私は、
ゆっくりと息を吐いた。
「そっか・・。」
直樹君は、一言だけ、
静かに呟いた。
肯定でも、
否定でもない、
『そっか。』
と言う言葉には、
その短い音からは
信じられないくらいの
優しさを感じられた。
直樹君にしてみれば、
それしか
言い様がなかったのかもしれないが、
もしも、
“血は繋がってないんだから、
頑張れ!”
とか、
“お母さんのためになんて、
偉いよな!”
なんて、
言われようものなら、
私は、
二度と立ち直れないくらいに
打ちのめされていたと思う。
だってね、