The Last Lie


『…今日、玄関で人待たせてるから』


『…そんな顔してるって事は待たせてるのは友達じゃなくて伊川君だ?』


『………』


『樺乃ちゃん、』


『五十嵐くん、この前探してくれたミステリーってどの棚だったっけ?』


五十嵐君の言葉を遮って、借りていた本を元の棚に元の棚に戻しながら無駄に口を動かす。


五十嵐君の痛いくらいの視線がわかる。


…やめて。


『一番奥の棚だっけ?あれ面白そうだったよね!楽しみー』


『ちょっ、樺乃ちゃ…』


『あっ、ねえミステリー以外のオススメはあるー?』

…いまは、やめて。


『私洋書も挑戦したいなーなんか格好良いし!英会話やってたから読めるんでしょ?』


< 131 / 357 >

この作品をシェア

pagetop