The Last Lie
全部溢れそうになる。
弱さを吐き出してしまいそうになるのを、唇を噛んで必死に堪える。
『……そんなに怖い?』
だけど。
彼の真剣な声と、柚杞とは違う体温が
私を、弱った私を、
どうしようもなく甘やかせる。
『伊川君の事で誰かに頼るのが怖い?』
『違、う…』
『伊川君以外に、安心を覚えるのがそんなに怖い?』
『っ…、』
怖いよ、ダメだよ。
だって一瞬でも誰かに寄りかかったら、
気持ちが抑えられなくなりそうで、柚杞に嘘がつけなくなりそうで、
見失いそうで…何かを。
だから嫌なの、
あまえたくなんてないの。