The Last Lie
確かに、柚杞のことだ。
きっと私が電話に出ないのも変に思ったはず。
『…うん…ちょっと、鏡見てくる』
五十嵐君に頭を撫でられて私はトイレに向かった。
この時私の頭の中はぐちゃぐちゃで、何かを考えたりする余裕なんてなくて、
だから、気付かなかった。
『そんな怖い顔しないでよ?』
『…樺乃に、何した?』
『何って、なに?心配しなくても何もしてないよ』
私が居ない図書室で、
『いい加減あの子解放したげてよ…伊川君』
二人が話をしてたなんて。