The Last Lie

何が柚杞をこうさせてるのか私には全く分からない。

いつもは繋ぐとしても校門を出てからだし、こんな強く引っ張らない。

振り返らない柚杞の名前を呼ぶ。


『柚杞…ごめんね?バイトの前に家でゆっくりしたかったー…』

『そうじゃない』


休みの日に夜からバイトに行く時、柚杞は軽く寝てから行く。今日も空きがあるからてっきりそうだと思ったのに、柚杞は私の言葉を遮って無理矢理止めた。


…じゃあ何に怒ってるの?


柚杞が分からない。
全く分からない。


だからため息も出るし涙も出る。

柚杞が飽きないと言ったこの性格も、最近は柚杞の前では出してない。


いつものようにしてたら、やっぱり好きが増えちゃうから。


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