The Last Lie

待たせたことも、図書室に行ったことも、電話に出なかったことも、


全部違うなら何が気に食わないの?


何が嫌だったの?

何で私に言わないの?








ああ、違う…

柚杞に不満を言いたいんじゃない、言いたいのはひとつだけ。

伝えたいのはひとつだけ。


だけどやっぱりあなたを思うと言えない。



“好きだよ”

なんて、そんな事言ったらきっとあなたは困るでしょ?私を突き放せなくなるでしょ?

また、あんな切なそうに恋しそうに、楓さんを呼ぶんでしょ?


だから言えない。


だから言うべき言葉を、


だからあなたの為の嘘を、



早くつかなきゃいけない。



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