The Last Lie
思い出せばキリがない。
どこまでも好きが溢れてくる。
もう二度と伝える訳にはいかないのに。
『柚杞には私じゃなかったし、私には柚杞じゃなかった…残念だけど』
『……』
『いままで本当にありがとね!こんな馬鹿に付き合ってくれて、楽しかった』
『樺乃、』
数え始めたらキリがないけど、沢山ありすぎてキリがないけど、
この声が、
私を呼ぶこの声が、何より一番大好きだった。
その愛しい声で鍵をかけた。もう呼ばれることは無いと思うから。
鍵をかけてしまい込めばいい。
消せないならしまい込んで忘れればいい。