The Last Lie
『どうして樺乃は責めないの?はっきり言うけど…伊川くんの行動は浮気以外のなんでもないと思うよ?』
昼休みの終わりのチャイムが鳴ってる。でも私も麗もベンチから立ち上がろうとはしなかった。
『…そうだね、でも…柚杞は優しい人だよ』
『……』
『私を好きになろうとしてくれてたと思う…ただ、楓さんを忘れきれなかっただけで』
たぶん。柚杞も私も同じだった。他の人を好きになれるなら…なりたかった。
『もしかしたら、あのまま我慢してれば柚杞は私を好きになってくれたかもしれない…でも、勝手にリタイアしちゃった!』
『…樺乃』
『柚杞だって辛いのに、一人になるのは、誰だって辛いのに…』
『……』
『私、…ずるいっ』
本当は自分が耐えられなくなっただけのくせに…