The Last Lie
出来るならもうずっとやめたかったー…
そう言って泣きじゃくる私の話をずっと麗は聞いてくれた。ずっと隣に居て手を握ってくれていた。
大丈夫…と繰り返して、私の嗚咽も収まってきた頃。麗は笑った。
『高校生活勿体ないよ?そんな後ろばっか見ても何にも手に入んないじゃん!彼氏が居ないから出来ることなんていっぱいあるよ!』
『そう、かな』
今まで本当に柚杞は学校生活の一部で、付き合う前は柚杞に会うために学校に通ってたようなものだったから、柚杞の居ない高校生活ってものが浮かんでこなかったりする。
曖昧に頷く私にニヤリと笑って、麗は言った。
『変わると思うよ…特に樺乃の場合は』
『へ?』
『新しい悩みが出来てすぐ伊川くんのこと忘れたりしてねー』
『…なにが?』
キョトンとする私は本当に訳分かんなくて、
『まぁ明日が楽しみね!』
その言葉の意味を知ったのは次の日の放課後だった。