The Last Lie

一瞬呆気にとられすぎて『良かったじゃん』なんて和みそうになったけど、とりあえず移動が先。

麗の背中を押して階段に向かいながら香汰くんに振り返る。


『いーよ、ほら行くよ?
香汰くんも本当にありがとね。遅刻になったらごめんね?そしたらジュース奢るから言ってね!』


真剣に言ってるにも関わらず吹き出した香汰くんは

『樺乃ちゃんも急ぎなよ、またね?』


と言って走る私たちを見送ってくれた。




『危なっかしいね…鼻のきく番犬無しだと、まぁそこが可愛いけど』

『……早く行くぞ』

『…怒んなよ、番犬』





変わっていく日常を止める術はなくて。



< 179 / 357 >

この作品をシェア

pagetop