The Last Lie

<彼女いるんだねー>

聞こえてきた声にビクッとする。いつもこんなとこで話したりしないから知らない子が多いのかも。
…そりゃ分かるよね。柚杞の隣にいるんだもん。さっき頭に触れたのだって、私が柚杞の彼女じゃないなら考えられない。

なんだか少し居心地悪くて俯くと、それに気付いた麗が覗き込んできた。
『平気…?』って小声で聞く麗にニッコリ笑って返したけど、麗は納得出来ない感じの顔。今度は隣の柚杞を見上げて舌打ちをした。

コラ!聞こえたらどーするの!!あー掴みかかんないでっ!私大丈夫だからっ!

私の願いが通じたのか、柚杞は麗の威嚇には気付かないまま香汰君と話してた。麗は少しイラついたらしく『もう行こう?』と私の手を引っ張った。

歩きだしつつ何も言わずに行ったらマズいと、慌てて振り返ったら柚杞と目があった。



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