The Last Lie
置いてかれないように必死になってた。
日常が変わればそれぞれ状況も変わる。
人の気持ちを変えずに、留めておく術もない。
見なくてすんでたものが目に入るようになったりするし、はっきり見えてたものが靄がかかって見えなくなったりもする。
『よく見たね?あんな廊下の端…探してんの?』
『……』
『ん?』
『…見つけたい訳じゃねぇのに勝手に身体が動く』
『……』
『…あいつに関しては』
互いに理解出来た気でいたんだ。
自分は間違ってないと思ってたんだ。
ちゃんと見えてもいないのに、分かった気でいたんだ。
…見失ってた事にも、気付かないまま。