The Last Lie


…惚気だとか言ってるけど本当は私を気遣って誘ってくれたんだって分かるから断らなかったんだけど。


『五十嵐くんは?今年はどの女の子と遊ぶの?』


パラパラと最初を読んだり、表紙を見たりして候補を出しながら、私は横目で彼見る。

麗によると、五十嵐くんは女子の間では結構有名で、最近は落ち着いてるとかいうものの、以前は有り得ないほど遊んでいたらしい。

麗からの話がどこまで本当かわからないにしろ、この目であの昼ドラみたいなものを見せ付けられた私としては、割と当たってるんじゃないかと思う。

“去るもの追わず来るもの拒まず、この言葉の代名詞みたいな男”…って麗は言った。


“餞別”


ってキスしてた五十嵐くんを思い出す。


< 182 / 357 >

この作品をシェア

pagetop