The Last Lie
『親は毎年なんでか現金。好きなもの買ったら?って』
『…現金て…クリスマスに反してすげぇ現実的!だけど確実に困らないプレゼントだね』
私の本を見る事に飽きたのかしゃがみこんだまま、そこら辺の棚を目で探りながら笑う。
『他には?』
『え?他?』
『うん…欲しいもの、もっとあるでしょ』
その言葉が、疑問型じゃなかったことが、すごく意味あることのような気がして答えにつまる。
答えられずに止まってる私じゃなく、本棚に目をむけたまま『あるでしょ』て続ける。
私が見下ろすかたちなのに威圧感があるように思えるのはなんでだろう。
『…ないの?』
『…特に、ないよ?』