The Last Lie
たじたじになりながら答えた私に『そうなんだ』って小さく呟く。
まだ五十嵐くんは私の方を見ない。
視線は目の前の本棚の下の段、五十嵐くんの正面で止まってる。
今の会話にはきっとなにか意味があったはず。
確実にあった。
でも五十嵐くんは『それならいーや、』ってその話題を終わらした。
なんか気まずくなった気がして私は五十嵐くんに同じことを聞いてみる。
『自分は?何かあげたりもらったりするの?』
聞いてすぐ、五十嵐くんの目があの冷めたものになった気がしてマズイって思ってたら
『ん〜どうだろ?もらえるかあげられるか分かんないかなぁ』
そう返す五十嵐くんの声は普通に穏やかだった。