The Last Lie

『な、待っ、』

『…そーゆー顔、さしたくねぇんだよ』




三度目の腕の中は、冬なのに熱くて…微かに震えていた。




振りほどけなくなった。






『いくら俺でも、らしくねぇ顔してるって事くらいわかる』

『……』

『いつまでしてんの?そんな顔…付き合ってても、別れても』







あぁ、どうして、







どうしてわかっちゃうんだろう。








柚杞には伝わらなかったのに…どうして…?






周りの人はわかるのに。






その柚杞に、伝える努力をしなかったのは私だけど。






だけど…



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