The Last Lie
すっかりソファーが気に入った私はそこに寝転がってくつろぎモード。
五十嵐くんはいつもの場所に座って私を見ていた。
あの優しい目で。
その視線を心地いいと感じ始めた自分に、私は気付いてる。
でもまだ気付いてないフリする。
大分薄れたはずの柚杞の記憶はまだまだ深く根を張ってるから。
きっと忘れる、大丈夫。
そんな気持ちがどれだけ周りを傷つけるかは、された私がよく分かってる。
だから。
『樺乃ちゃん洋書読みたいんだよね?』
『うん、出来たらね』
『今日優しい五十嵐くんが樺乃ちゃんにぴったりの持ってきてあげた』
『えっ!いいの?』