The Last Lie

知らなかった事


やってきた店員さんに紅茶のおかわりをもらって絋未さんのお皿が片付いた後。


『今思えば反抗期も拍車かけてたのかもなぁ』


絋未さんが言った。


『バスケが楽しくて仕方なかったってのもあったかもしれないけど、その分他のものへの欲がないってゆうか、そうゆうの全部無くなっちゃって…』


窓際のテーブルで肘をついて、窓の外に目を向ける絋未さんはその頃を思い返してるみたいだった。

中学の時、確かに柚杞はどこか冷めてた。

女の子なんか見向きもしてなかったし、唯一興味ありそうなバスケに関しても他の生徒とは違ってた。

楽しそうなんだけどなんか冷静で、周りよりも何歳か年上に見えた。


『部活も引退して高校受験の時、投げやりに高校選んでた柚杞に私言ったの…“あんたはバスケ以外のなんにも見ようとしないのね”って。』


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