The Last Lie
『いくら適当に選んだって言っても折角受かった高校だし、一年だけでも通った方がいいじゃない?香ちゃんとか友達もいたしね』
ゴブレの水を一口喉に通して『そういえば香ちゃんは元気?』と聞いてくる絋未さんに、コクンと頷き笑う。
そういえば絋未さんは香汰くんにもベタ甘だったな、と記憶から裏付ける。
『柚杞から目を離すのは心配だったけど“どうする?”って聞いた私に“あっちでバスケしてみたいかも”って柚杞は答えて…』
『え、じゃあ本当は』
『うん、本当は二年生からは向こうの学校に行く予定だったの、私達と一緒に』
だからあの子部活入ってないでしょ?
と、絋未さんは続ける。