The Last Lie

やっぱり付き合う前も、付き合った時も、柚杞の中に私はいなかったんだ…。

思わず溢しそうになる涙を俯いて隠した。

絋未さんはそんな私に気付いてないのか、構わず話を続ける。


『最初は嘘だって思って、私たち親の目が鬱陶しくなったんでしょって私と柚杞とで大喧嘩』

『…絋未さんと柚杞くんが?』

『そう!あれが今までで一番の喧嘩かも』

『そんなに?仲直りできたんですか?』


紅茶で喉を潤しながら私の言葉を聞いた絋未さんは優しく笑った。

なに…?


『出来たわよ?樺乃ちゃんが家に来た時に』



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