The Last Lie

私は柚杞を避けた。


香汰くんにすら会わないようにしたし、食堂の回数も我儘言って減らした。麗は何も言わなかった。

“いまは顔を見れない”

そう理由づけした私に、微笑んだだけだった。


五十嵐くんはそんな私を心配してくれてた。

明らかに変な様子の私の事を問いたださずに、私から話すまで待とうとしてくれてた。

直接探りを入れたのは最初とさっきの休憩時間の二回だけ。

今こんなにスパルタなのも本気で心配してるのをはぐらかす私に“言え”って意味があるんだと思う。

まぁ散々愚痴ってて今更何秘密にしてんだよ、なんて気持ちも少なからずあるだろうけど…。



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