The Last Lie

それからはあんまり覚えてない。ただずっと喉の奥が痛くて、熱くて、何にも考えられなくなってた。

隣を歩く柚杞がたまに私に向かって何か問い掛けてきてたけど、何て答えたか覚えてない。頭の中ではさっきの柚杞の言葉がずっとリピートされてた。

考えてみたら、確かに柚杞の言葉は事実だった。
好きになったのも、告白したのも私だった。

だけどそれを受け入れてくれたのは柚杞の意志だと思ってたの、それだけは信じてたの。


柚杞の嘘に気付いた後も私が“彼女”という事は柚杞が決めてくれたから、


私に触れる柚杞の手はいつだって優しかったから、


私と居る時、柚杞の目には私だけが映ってたから、



“特別”になれなくても、嫌われてるなんて思ってなかったの。


だから一緒にいれたのに。


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