The Last Lie

ごめんなさいー…、

俯いてスカートを膝の上で握りしめながらそう言った私に五十嵐くんは大袈裟に溜め息をつく。


『優しいのか、ただの馬鹿なのか…本当わかんない子だね』


まぁそこが面白いんだけどさ、そう付け足して席を立つ。

五十嵐くんはテーブルを回って私の横を通り過ぎると私がいつも座ってる二人掛けソファーに腰掛けて、隣の空いたスペースをポンポンと叩く。


『早く、こっち座る』


そう言われて私は重い腰を上げた。

こんな近づくのは、終業式の日に抱きしめられた時以来だった。

近いって言っても、それなりに健全な距離なんだけど。


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