The Last Lie

『麗、私今日図書室寄ってくから帰ってて?』


テストの照らし合わせが終わったのか、試験用紙を丸めた筒で私の頭を軽く叩く。


『なに?』

『すっかり読書が当たり前になっちゃったよね…遊び人の影響?』

『違う。強いて言うならとう爺の影響』


遊び人てのは五十嵐くんの事だろう。

否定出来ないけど、ここまで毛嫌いされてるのはちょっと可哀想だったりする。

私は今までの五十嵐くんをあんま知らないから尚更なんだけど。


『樺乃、鳴ってるけど?』

『へ?あ、本当だ』


机の横。
鞄のポケットで携帯がチカチカ光りながら震えてた。

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