The Last Lie
『ちょっとごめんね?』
手を顔の前で立て麗に断りを入れる。
震える携帯を開いた。
『五十嵐くんだ…、
ーもしもし五十嵐くん?』
電話を掛けてくるなんて珍しい…てゆーか初めて?
《ー…樺乃ちゃん?》
耳にはガヤガヤと生徒の話し声も届く。
あっちもまだ教室に居るみたいだ。
『うん、どうしたの?』
《まだ教室にいるの?》
『へ?うん、これから図書室行くよ。五十嵐くんもすぐ来る?』
私の質問に電話の向こうは一瞬沈黙する。
《…それなんだけどさ、その前に樺乃ちゃんに言っておかなきゃなことあって》
『言っておかなきゃなこと?なにー後でじゃ駄目なの?』