The Last Lie

ー…自分でも、こんなずるい性格してると思わなかった、


そうちょっと笑った声は擦れてて、



《…今樺乃ちゃんが悩んでんのは俺の所為、

……ごめん》



謝って来る言葉も苦し気だった。



《だけど…分かってんだけどさ、簡単に割り切れそうにねぇんだ、残念ながら》



ー…だから、と続けられた声以外聞こえなくなった。
ガヤガヤとした教室の声も向こう側の風の音も、もう耳には入ってなかった。




《諦めさせて欲しいんだ。

…解らせてよ》



ー…俺じゃないってこと。






なにがずるいのか、

具体的に何をしてあげたらいいのか、

全くわからない私に、



《図書室ですぐわかる》



五十嵐くんはそう言った。

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