The Last Lie
俯いていた顔をあげる。
数メートル離れたソファーに座る柚杞はまだ強ばった顔をしていた。
真っ直ぐ私を見る柚杞と目を合わせ微笑んでみせる。
『…なに?柚杞は楓さんの事が原因だって思ってるの?』
目を合わせたまま何も言わない姿に肯定だと受け取って話を続ける。
『そんな訳ないでしょ!ただ単に私の気持ちが冷めただけだよ?言ったじゃん、私には柚杞じゃなかったって』
『……』
『確かに、楓さんの事を知った時ビックリはしたけど、私と柚杞はどっちみち上手くいかなかったよ』
それを私が知らずにいたって…ー
ニッコリ笑ってる私に、何にも言わない柚杞。
私の笑顔は、いまどんな風に柚杞の目に映ってるんだろう。
こんな嘘を吐く、私の顔は。