The Last Lie

『…全部話すから。こっち、来て』


自分の隣を顎で示され、私は少し距離を置いて同じソファーに腰を降ろす。

本当は聞くのが怖い。
聞かなくても済むなら聞きたくない…でも、きっと聞かなきゃ終わるものも終わらないと思うから。

私が座ったのを確認した柚杞は『あんま聞きたくないかもしんないけど』と前置きしてから話し出した。


『お前と付き合ってた時、楓と会ってたのは事実だし言い訳するつもりもない』

『…っ、』


『お前にバレないように香汰にも隠してた』


『なっ…?』


『でも、バレたけど』


香汰にも、お前にも…ー、


そこまで言った柚杞はひとつため息をついて、


『だけど、お前が思ってるような理由で会ってた訳じゃない』


って、首だけ動かして私を見た。


< 302 / 357 >

この作品をシェア

pagetop