The Last Lie
頭を撫でていた手が、そのまま降りて髪を梳く。
『好きだよ…多分お前が思ってるより、もっと』
『…っ、』
『お前は違っても、俺がお前じゃないと駄目だから』
『柚…杞、』
『だから、』と続けた柚杞の目は真っ直ぐ私を見ていた。
『もっかい側にいて欲しい』
私の頬を涙が伝う。
それはきっと、こんな夢みたいな事にあり得ない程に感動してるから。
嬉しくてどうにかなりそうなんて、おかしいかな?
でも。
それ以上におかしいのは、
そんなに心を柚杞に染めていながら、
『…ごめんなさい』
そう答えた私だった。