The Last Lie


本当は食券じゃなくて売店に並ばなくちゃダメなんだけど、何をどうしたのか今朝麗は特別食券を片手に『もらっちゃった』と嬉々としていた。

食券は適当にちぎったメモ用紙におじちゃんの書き殴ったような字で《特別食券》と書かれている。

なんだか嘘臭い気もするその食券をどんな経緯で手に入れたのか訊ねても、『内緒よ!おじちゃんとの約束なんだから』と入手方法は教えてくれなかった。

相変わらずおじちゃんは麗に甘い。


無事食堂でデザートを受け取った私たちは、持ってきたお弁当を食堂でサッサとたいらげた。

目の前にある幅10センチ位の四角い箱。

その中には、夢のような世界が広がっている。


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