The Last Lie
『お、はよう』
挨拶を返して見上げる私を見て柚杞は満足そうに微笑む。
あれから、柚杞はずっとこんな感じ。
人が変わったみたく私に接する。
“待っとく、お前がちゃんと信じられるって思えるまで”
柚杞の言葉に私は慌てて首を振った。
“待つって…そんなの、”
私の気持ちがちゃんと固まるって保証も無いのに。
“いつんなってもいーから、俺はお前がいいから…それに逆に嫌になるかもな”
“嫌?”
“樺乃が俺を。もう隠さねぇから、お前が好きってこと”
そう押し切られ、小さく頷こうとした私に影がかかり
ー…だけど、逃げんなよ?
耳にほぼくっつけられた唇からの囁きに、身体に電流が走るみたいな感覚がした。