The Last Lie

手の中のプリンに一度目をやってから答える。


『コレ?美味しいよ』

『じゃあ、やっぱ貰う』

『ふぇっ…』


柚杞の空いた左手がスプーンを持つ私の右手を覆われ柚杞の口元に誘導される。

いきなり触れたその温かさに驚いてる間に、香汰くんにあげるはずだった一口は柚杞の口の中に消えた。


『…甘』


私に向けられるその全てが…好きだって言ってるみたいで。


戸惑ってしまう。



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