The Last Lie

その態度の変化に慣れず困った顔をする私に、やっぱり柚杞は優しく笑って


『午後、遅れんなよ?』


以前のように私に釘を刺してから香汰くんと教室に戻って行った。



『伊川くん…あんな風に笑う人だったんだねぇ』


意外ー、って麗が笑う。

私だってビックリだよ。私以外の女の子には、変わらずあの冷たい目を向けるから。


『ねぇ、いつまで引っ張るの?』

『引っ張るって、』


食べ終わったプリンの容器だけ片付けて、一口大のマカロンの並んだ箱を手に教室に戻る廊下で、麗が言った。


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