The Last Lie
『そんな力いらないでしょ、これ開けんのに』
『あ、』
声に驚いて振り返ってる隙に、伸びてきた手が扉をスライドさせた。
『どーぞ?』
『…どーも』
右手の平で促され小さくお礼を言って先に中に入る。
久しぶりに入った部屋の中は何ひとつ変わりなく、キョロキョロ見回しながら私は2人掛けソファーに座った。
『何も変わってないよ?たったの1ヶ月だもん』
『だね…なんか久しぶりだったから見回しちゃった』
私の正面のソファーに向かいながら話仕掛けてくる彼に笑顔を向ける。
彼が座って顔をあげたところで目と目が合った。