The Last Lie

***


下駄箱から取り出した革靴に履き替えて、歩きだす時。

視界の端の廊下に早足のあの子の姿。



『おあずけ終了かな』



遠くなる姿に切なくなることは俺しか知らない。


昼休みの親友への言葉が本気だったのは内緒。



“初めまして、香汰くん”


初めて会ってから、可愛い妹、じゃ済まない存在だったのも、




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