The Last Lie


***


残された教室で一人作業なんて、ついてない。


『…面倒』


委員会なんて入らなきゃ良かったと後悔する。

さっき帰った親友の、昼に言ってた言葉が頭に残る。

確かにギリギリ首繋がってるってのが自覚出来るだけに、



『萎えるっつの』



ダメージは大きい。



だけど。



ふいにパタパタと廊下を駆ける足音が近付いてきてドアが開く。



勢いよく名前を呼ばれて。見慣れた姿が目に映り、視線が合った途端、大きな目を濡らすから、


震えた声で素直な気持ちをぶつけてくれるから、



ダメージなんか一瞬で消えた。



久しぶりに全身でこの存在を抱きしめながら、思う。



俺も、素直になんねぇと。



伝えてみようか正直に。


その耳元で囁けば、きっと君は照れた後、嬉しそうに笑うから。



でも、まぁ、何にしても。


おあずけした分の責任は取れよ?



***
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