The Last Lie
『なに?』
それでも柚杞の余裕そうな態度は少しも崩れない。
たぶん、分かってるんだ。私が本気で嫌がる事は無いって。
なんだか私ばっかり見透かされて余裕が無いのは癪だったから、せめてもの抵抗と顔を背けてやった。
だけどすぐに、柚杞は私の横を向いて露(あらわ)になった首筋を撫でて、反対側の手で顎を掴んで向き合わされた。
柚杞の長めの前髪が私の前髪に触れる程、至近距離で目が合う。柚杞の目に微かに熱っぽさが見えて、この状況が恥ずかしくなってくる。柚杞は相変わらずな表情で私を見てる。
『柚杞…』
『だから何だよ』
そんなにじっと見ないで欲しい。