The Last Lie
柚杞の指が私の唇をなぞる。ゆっくりとした動作が逆に緊張を高めていく。
頬や首筋に軽いキスをされ耳に唇を押しあてたまま囁かれる。
『言いたいことあんじゃねぇの』
『…っ…ん』
『なんだよ?』
言葉とは裏腹に、耳に舌を這わせ甘噛みする柚杞は、私に制止の言葉をかけさせない。
…本当にずるい。
『ねぇ、待っ…んん』
頑張って声出そうと思ったらまた唇が重ねられた。
強引な舌が歯茎をなぞり、口内を犯す。漏れる吐息と響く水音に何にも考えらんなくなる。
『お前の舌さっきから熱い』
『へ?…わかん、な』
『紅茶のせいかと思ってたけど…』
ちらりと柚杞の視線がテーブルに移る。
…さっき紅茶を飲んだのはそれを確かめるためだったの?
またじわじわと潤み始めた目で柚杞を見上げると、柚杞の視線が私に戻る。
そして歪めた唇から意地悪い声を出した。
『…もう抵抗終わり?』