The Last Lie
柚杞と付き合いだして半年以上たった頃。
今年の夏の始まりのこと。
いつものように柚杞の部屋でのんびりするつもりだった。
いつものように柚杞が下に行って飲み物を用意してくれて、
いつものように私も柚杞の雑誌に手を伸ばすー…
けど。
目の前のガラステーブルの端っこ。
飾りも傷もない真っ黒い柚杞の携帯が震えて、テーブルの上でおおきな音をたてた。
バイブによって徐々に携帯が端に追いやられる。
あっ
て思った時にはもう遅くて
バランスを崩したそれはフローリングに落ち、衝撃でL字に開く。