The Last Lie
ずるい悪魔だ、と思った。
嫌か否か
嫌?って聞かれたら全然嫌じゃない。
だけど、否だよ。
都合のいい女になんてなりたくない。…なのに。
『…や、じゃないよ』
拒めなかったのは私が柚杞に溺れてるから。
解ってる、解ってるよ。
私の言葉に柚杞が目を細めて笑う。
そして唇が触れ合う直前に
柚杞はまた私を捕まえる。
『…焦った』
甘い言葉で捕まえる。
解ってたんだよ、
馬鹿だって。
そんな言葉も、笑顔も、
…嘘かもしれないって。