The Last Lie

考えてみれば、ヒントは近くにあった。

柚杞は、私を『好き』とは一度も言ってない。

『飽きない』って『嫌いじゃない』って、そう言うだけだった。


柚杞の携帯に名字を抜かして登録される事はない。
全員フルネームで登録されてる。

『混ざったら嫌』

そう言ってた。

でも、楓さんは【楓】だけ。

これがどういう事かはもう分かってる。

柚杞の“彼女”になったって意味なんて無かった。
柚杞の“唯一”になれなかったら意味なんて無いんだ。

どれだけ好きだとか、
どんな関係だとか、
そんなの関係無い。


私と柚杞を繋ぐものがたとえ“恋人”だとしても、
一番傍にいるのが私でも、


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