The Last Lie
とりあえずその作家の適当に気に入った題名の本を手に取って、壁と本棚の間に座り込んで熱中。
今度は高校生の男の子を書いた作品だった。
本に入り込んで時間を忘れていたら、鳴り響いた予鈴で私は覚醒した。五時間目のサボりを決意し、小休止とばかりに開いたまま本を裏返しに置いた。
座り込んでたせいか、腰と背中が痛い。
クッションとか家から持ってきておこうかな…そんな事を考えてると、ドアがスライドする音がした。
右の壁にぴたりと寄せて並んだ4列の本棚は入り口と直線上にあって、ここから入ってきた人物は全く見えない。
覗きこむように本棚からちょっとだけ顔を出して入り口を盗み見た。