The Last Lie
『……』
『樺乃ちゃん真っ直ぐそうだから、ちょっと心配なんだよね』
座ってる私に最後だけ優しく微笑んだ男の子はよく見ると綺麗な顔立ちだった。二重の目のおかげか、少し可愛らしくみえる。
男の子はポケットに入れていた左手を伸ばして私の頬を撫でた。
抵抗出来なかったのは、見惚れてたからじゃないと信じたい。
そして私と目を合わせると男の子は大きな目を細めて言った。
『2-B、五十嵐恭輔(いがらしきょうすけ)…恭輔って呼んで?これからよろしくね、樺乃ちゃん』
この時はまだどこかで柚杞を信じていたし、
五十嵐君の言う“柚杞の秘密”も全然気にならなかったんだ。
『俺は味方だよ?樺乃ちゃんの』