The Last Lie
二学期から後期図書委員になってしまったらしい五十嵐君は昼休みや放課後、たまに図書室に顔を出すようになった。
五十嵐君は麗いわく生粋の遊び人らしく、彼の名前を話に出した瞬間『ダメよ!いくら伊川くんが普通の男より構ってくれないからって五十嵐恭輔なんかにはまっちゃ!!』とすごい勢いで止められた。
確かに図書室でのあの出来事を思い出すともっともな言葉だと思ったけど、五十嵐君のイメージはちょっと変わりつつあった。
『そういえばなんで図書室なんかにいるの?ここで人に会うの初めてだわ』
そう聞いてきた五十嵐君に一連の経緯を話すと彼は少し嬉しそうに『その作家、俺も好き』と笑った。