The Last Lie

その外見と行動とは裏腹に読書が好きだという五十嵐君は『その作家が好きならこの人も気に入ると思うけど?』と次に読む本を一緒に選んでくれたりした。

私が『一応図書室が何のためにある部屋か知ってるんだね?』とからかうと『だから!あれは図書室行くのに付いて来られただけだってば!!』と彼は慌てて弁解した。

五十嵐君としては『女は好きだけど好きな女はいない』だそうで…。
でもその事をわかってて寄って来る女の子しか相手にしないらしい。

『…遊び人も優しいとこあるんだね』と私が感心したように言うと『傷付けて傷付くのが嫌なだけ…優しかったら手出さないでしょ』と笑った。

傷つけてしまった事に傷つくなら、罪悪感を感じてるって事じゃないの?
それって違うものなの?


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